祝 新入生のみなさんへ―歓迎の言葉!
光あふれるよき春を迎えています。希望に満ちた新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。全学を挙げて歓迎致します。
新入生のみなさんを支えてこられましたご家族のみなさま、そしてご関係のみなさまに、心からお慶びを申し上げます。
高崎商科大学232名、高崎商科大学短期大学部106名、大学院商学研究科1名の新入生であります。海外からの留学生も迎えて、全学339名のみなさんに、心よりお祝いを申し上げます。
本学の母体・学校法人高崎商科大学は、明治39年(1906年)に、佐藤タ子(たね)先生によって設立され、今日では、幼稚園、附属高校、短期大学、大学、大学院を擁する総合学園に発展しています。本学は、建学の精神「自主・自立」に基づいて、「実学重視」「人間尊重」に「未来創造」そして「地域社会への貢献」を教育理念に、21世紀ビジネス社会・地元地域社会の発展を担う新しいリーダーの育成を教育目的としています。(写真は、みなさんを待つ本学・桜、4月2日午前、撮影)
ところで、時代はさまざまに急速に変化していきます。
近年になって、世界的規模において「第四次産業革命」が怒涛の勢いで進んでいます。ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の目覚ましい発達のもとに、わが国は超スマート社会「ソサエティ5・0」の実現をめざし、またアメリカや中国も競い合うように「超情報化・ハイテク社会」をめざしています。すでに車も自動運転の入り口に立つなど、世界は、あらゆる領域において、これまで私たちが経験したことのない驚くべき変貌を遂げつつあります。私たちは、社会生活も家庭生活もグローバル化する中でAIロボットと共存するという新しい時代を迎えております。
新入生のみなさん!
大学は「学びと創造の場」であります。学ぶことは「自分が変わること」「成長すること」です。
専門的な知識や学問的理論体系、高度なスキルを学ぶだけでなく、自ら主体的に考えて行動し、AⅠも使いこなして新しいものを創り出す力、問題や課題を見出し解決する力を身に付けることが大切です。これこそ、本学園の創立者、佐藤タ子先生の説かれた「生きた学問」を修得する、ということです。
本学は、みなさんの勉学を支えるために、優秀な面倒見のよい教授陣と職員のもとに、独自の教育システム・学習生活環境を整えております。
「学生生活・学習支援センター」をはじめ、情報活用のための「メディアセンター」、全国規模の高大連携教育=ホールAプロジェクトにつながる「経理研究所」、地域貢献の「地域連携センター」、企業連携の「3・5本の矢プロジェクト」さらに海外「留学・インターンシップ」、経済支援制度に「ワークスタディ奨学生」、就職支援には「キャリアサポート課」があります。大学院生には、専用の研究室も用意されております。
本学では、公認会計士試験はじめ、英検、情報処理や医療事務、公務員・教員採用試験など、多数の合格者が続いています。本学は「資格取得に積極的な大学」であるとの高い評価を得ていますが、とくに現役学生の公認会計士試験の5年連続の合格は「北関東・甲信越の国公私立大学で唯一の快挙」と注目されています。みなさんも、検定や資格に大いにチャレンジしてください。
本学は、また「人間教育の商科大」です。「近代日本経済生みの親」と名高く、世界遺産・富岡製糸場の設立に尽力した渋沢栄一翁も、よく知られた『論語と算盤』を著して、経済道徳の大切さを力説しました。それは、豊かな教養と正しい人間性に基づいてこそ、私たちの仕事も企業の経営も、社会的責任を果たすことができるからです。大学は「出会いと体験の場」でもあります。ボランティア活動やクラブ、学生会活動、秋の大学祭(=彩霞祭・さいかさい)など、生涯の友に出会う機会になりますし、相手の気持ちが分かるコミュニケーション力も高めることができます。課外活動は勉学と並ぶ学生生活の車の両輪です。
ところで、この群馬・上州の地は、魅力あふれるところです。上毛三山(じょうもうさんざん)と呼ばれる、赤城山・榛名(はるな)山・妙義山を望み自然環境に恵まれ、歴史的にもたくさんの文物に恵まれています。群馬の郷土かるた「上毛かるた」に詠われる「和算の大家・関孝和」「誇る文豪・田山花袋」や、詩人・萩原朔太郎、航空工学の堀越二郎など、わが国を代表する人物を数多く輩出しています。
「高崎商科大学前」の駅名のある上信電鉄・上信沿線には世界遺産の富岡製糸場があり、本学のすぐそばには、ユネスコの「世界の記憶」に登録された、上野三碑(こうずけさんぴ)と称される「山上碑」(やまのうえひ)「多胡碑」(たごひ)「金井沢碑」(かないざわひ)という日本最古の石碑もあります。みなさんも名所旧跡を訪ねてみてください。新しい発見があり、またきっと、深い愛着が沸いてくるでしょう。
本学は、文部科学省から「大学COC事業」=「地域の拠点大学」に選ばれる(平成25年)など、「地域密着型の大学・短大部」として地元地域との交流を活発に行ってきています。高崎市はじめ富岡市、甘楽町、下仁田町、また地元の企業や団体などと協力関係を結んでおり、私たちは、地域のなかで数多くのことを学んでいます。グローバル化が進めば進むほど、地域の資源や特色を大切にするローカルな心が必要です。
みなさんには、地域の方々と世代を超えて留学生のみなさんも一緒になって大いに交流してもらいたいと思います。
新入生のみなさん!
学生時代は人生の土台を築く貴重な時期です。わたくしは、みなさんが未来へ向かって青春の情熱を胸に、楽しく充実した学生生活を送られ、明日の社会の良き担い手に成長されるよう心から願って歓迎の言葉と致します。
令和2年4月2日
高崎商科大学・高崎商科大学短期大学部・学長
渕上 勇次郎
○みなさんのご入学をお祝いする入学式は、「新型コロナウイルス感染」の拡大予防の観点から、新入生・保護者のみなさま、ご関係のみなさまのご健康を最優先に考え、中止することに致しました。そして新学期の授業の開始も繰り下げることになりました。ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。
みなさん、どうかご健康に十分気を付け、また大学からのお知らせにもよく注意しながら、新しい学生生活を始めてください。