本を読む、ワクワクする!
読書の魅力って、何でしょうね。読み始めると、もう夢中になってしまいます。とても不思議です。
では、どうぞ!
①【自伝】シュリーマン『古代への情熱』(新潮文庫、1977)
・少年時代に抱いた夢の実現をめざすシュリーマンの生涯。才覚ある実業家かつ探求者にしてついに遺跡大発見!幕末には来日も。
・「トロイアの広大な平野を眼前に眺めたとき、私は感動をおさえることができなかった」(p.61)。
②【文化】ルイス・フロイス『ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫、1991)
・イエズス会宣教師の見聞した日本文化とは?グローバル時代であればこそ、ますます読まれるべき本の一つかなと思います。
・「ヨーロッパ人は焼いた魚、煮た魚を好む。日本人は生で食べることを一層よろこぶ」(p.94)。ちなみに、シュリーマンは、来日時、ご飯に刺身を食しています。
③【文化】鯖田豊之『肉食の思想』(中公新書、1966)
・「食生活」の違いから、日本と欧(米)との文化の違いを説いています。食生活を軸にして、これほどの比較文化が論じられるとは驚いてしまいます。
・欧(米)では「肉食」生活が「人間中心主義」・明瞭な「階級意識」と「個人意識」をもたらした(pp.151~173)。
④【環境】レイチェル・カーソン『沈黙の春』(新潮文庫、1974)
・環境問題の古典ともいえる名著。地球温暖化問題を考える原点です。
・「自然は沈黙した。薄気味悪い。鳥たちは、どこへ行ってしまったのか。みんな不思議に思い、不吉な予感におびえた」(p.12)。
⑤【教養】阿辻哲次『漢字のいい話』(新潮文庫、2020)
・「歌徳」「聖林」「剣橋大学」の漢字は、何を意味しているんでしょうね。
・「『五月蠅』は『うるさい』だが、ほかに『〇〇〇』という読みもある」(p.150)。川魚の鯉は「食べる以外にも、手紙を届ける道具にも使われた」(p.239)とはビックリ。
⑥【小説】白石一文『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上)(下)』(講談社文庫、2011)
・現代の世相・思潮を反映した迫力あるエンターテインメントです。フィクションというより、VR(仮想現実)っぽい。
・「経営者は株主の利益を考えれば考えるほど、株主の利益を離れて社会的責任に目覚めていく」(上p.125)「政府や中央銀行の介入から市場がどれほどに自由であったとしても、それだけで我々の幸福が極大化することはあり得ない。...(幸福は)束縛の中にも存在するからだ」(上p.126)と。
読書のあと、大学ノートに感想でもメモしておくといいですね。
〈訂正〉前々回のブログで紹介の『森の生活』の著者は、ウォールデンではなくH.D.ソローでした。